その為に、これからは魔物がいなくなるのだと。
この時も、それならばなぜ二人は帰って来ないのだと、噂されたものだ。子供にそんな大それた真似が出来るはずないとか、村長は何か知っていて隠しているのではないかとか、勝手な憶測が広場を賑わせた。
しかし、それから初めての冬を迎え、考えられないような寒さがププタン村を包み、魔物が急激に減りはじめると、人々は何らかの変化を信じない訳にはいかなくなった。魔物がいなくなり、季節が正常に戻ったのだから、喜ぶべき事なのだと、村長は言う。しかし、村びと達は単純にそうは思わなかった。急激な寒さで命を落とした老人や赤子があったからだ。