大きな身体をドスンドスン言わせ、それでもなんとか追い付いたフレアは、チャンの襟首をむんずと掴み、持ち上げた。
「うわぁ〜〜、放せ、放せよ〜」
ジタバタと暴れるチャンの顔を自分の方に向け、睨み付ける。
「窓がわれちまったじゃないか。どうしてくれるんだい! この寒いのに。いい加減におしよ」
「何だよ! 寒いのはアビのせいじゃんかよ! みんな言ってるぞー。嘘つきアビのせいで冬が寒くなったって」
足をばたつかせながら、チャンは精一杯虚勢を張るが、フレアと目を合わせようとはしない。
なんとか逃げ出そうと必死にもがいていた。
「馬鹿お言いでないよ。うちのアビは嘘つくような子じゃないんだ。今度そんな事言ったら、ただじゃおかないよ!」