ファンタジー小説銀の騎士外伝

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フレアは一気に冷たくなったお茶を飲み干した。ぶるっと身体が震えた。
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おばさんの呟き

-呟き後編-18/18

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フレアは一気に冷たくなったお茶を飲み干した。ぶるっと身体が震えた。

「何もかも忘れて幸せになりたかった。でもあたしにはその資格がない。それに、ここでアビを可愛がったりしたら、死んだあたしの子が不憫すぎるじゃないか。アビはあたしを嫌ってる。それが罰なんだ。それでいいのさ」

重い腰をあげてゆっくりと立ち上がると、膝掛けがずり落ちる。

「おっと」

あわてて掴み椅子においた。

「寒いから今日はもう店じまいだよ。お前、うちに一緒に来るかい」

扉の前で振り返ると、猫はのそりのそりと後をついて来た。

ギシッと鈍い音をたてて扉が開くと、一面の雪景色に沈みかけた夕日がきらきらと反射して、一瞬目がくらみそうになった。

フレアは寒さも忘れてしばし呆然とそれを眺めていた。

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