フレアにはその答えがわかっていた。わかっていたが、わかりたくなかったのだ。
「フーチは昔から子供好きだったよ。結婚前から、たくさん子供が欲しいって言ってたっけね。だけどさ、こればっかりはどうしようもないんだ。あたしだって早く子供をつくってやりたかったさ。何で子供が出来ないのか、随分悩んだもんだよ。だけど、何年経っても、子供はちっとも授からなかったんだ。フーチは泣いてるあたしを慰めてくれた。二人で生きて行こうって誓いあって……」
ふと言葉を切ったフレアの目に、ひとすじの光るものが流れた。
わずかに口元が震えているのは、寒さのせいだけではなかった。