ファンタジー小説銀の騎士外伝

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「ありがとう。サイナはちっとも変わらない。ホッとするよ。」
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アビ編

-懐かしき故郷-11/11

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「ありがとう。サイナはちっとも変わらない。ホッとするよ。」

「アビは変わったわ。大人になったみたい。」

「まさか、半年でそんなに変わるもんか。」

アビは笑った。心から笑ったのは久し振りという気がする。

「もう行かなくちゃ。」

別れがたい思いがした。サイナはいつもアビの心を和ませる。帰って来て良かった。アビはサイナの手を強く握った。そして最後に思いを断ち切るようににっこり笑って、走り出した。

「あっ。」

サイナは何か言おうとしたが、あっという間にアビの姿は見えなくなった。

「もう、いつも勝手なんだから。」

サイナはアビの消えた闇を、しばらくの間黙って見つめていたが、やがて気を取り直して家の中へ走り込んだ。

「おばあちゃん、おなかすいた。」

誰もいなくなった前庭に、無邪気な声がちいさく響いた。

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