ファンタジー小説銀の騎士外伝

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ププタン村の入り口が見える小高い丘の上まで来ると、アビは自然に馬を止めた。
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アビ編

-懐かしき故郷-6/11

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ププタン村の入り口が見える小高い丘の上まで来ると、アビは自然に馬を止めた。

あれからまだ半年しかたっていないというのに、故郷はやはり懐かしかった。

嘘つきと後ろ指差されて追われるように出て来たふるさと。黙って出て来た事を、おばさんは怒っているだろうか。

「ここがアビとシュールの生まれた村ね。」

馬をおりたチチが、始めて来た最東の小さな村を珍しそうに眺めている。

「どうしたの?アビ。」

下を向いて佇むアビを覗き込んで、チチは目をまるくした。

アビの顔がつらそうだ。故郷に何か嫌な思い出でもあるのだろうか。

シュールは黙ってアビの肩に手をおいた。

村の向こうに海が見える。夕暮れ時の薄紫に染まった空が、海との境目を曖昧にしている。

「ここから日の出を見たいわね。」

チチはうっとりと目を細めた。

「さあ、ぐずぐずしてはいられない。どうするアビ?」

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