そのシュールは、先読みの里に行ってもう三週間以上になる。シェーラの代わりの薬師を迎えにいったのだ。二週間で帰って来る筈だったのに、一体どうしたというのだろう。
アビの心を闇が喰い尽くそうとしている。死がアビの身近に感じられ、アビの大切なものを全て呑み込もうとしている。
アビは死が恐ろしかった。
シェーラは自分のせいで死んだ。そう、アビを庇って無理をしたために、堅いウロコを持つあの魔物に殺されてしまったのだ。そいつは、シェーラを奪っただけでは飽き足らず、アビの左腕の肉も抉った。それと同時に、アビの心の一部を抉りとっていった。
やつが抉った心の隙間には、今までなかった新しい感情がなだれ込んで来た。