ファンタジー小説銀の騎士外伝

ファンタジー小説銀の騎士外伝

ついさっきまで薄明るかった空は、見る見るうちに夜の帳を降ろしていた。
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アビ編

-懐かしき故郷-8/11

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ついさっきまで薄明るかった空は、見る見るうちに夜の帳を降ろしていた。

アビは誰もいない事を確かめ、村長の家に向かって再び走り始めた。

村長の家まで一気に走り、誰にも会わずにその懐かしい木の扉を開ける。

サイナの部屋は二階だ。

庭には大きなブナの木がある。サイナを呼びに来た時、よくこの木に登った。

それがずっと昔の事のように思えるのが不思議だった。

アビは登りなれたブナの木のいつもの枝まで登っていくと、サイナの部屋の窓を覗いた。

サイナはベットに座って本を読んでいる。

木の実を一つ取って窓に向かって投げる。

コツン。

実が窓に当たるとサイナがびっくりして窓辺にやって来た。外はもう暗い。明るい家の中からはアビの姿は見えないようだった。

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