死に対する恐怖感、シェーラを死なせてしまった罪悪感、左腕が思うように動かない事への苛立ち、そして今、シュールが側にいない事への不安。
そういった感情が次々に押し寄せてアビを押しつぶそうとする。アビはそれに耐えられなくなって、心を閉ざす。
心の中で起こっている感情の波の行方は、アビには漠然とした不安としてしか認識出来なかった。自分の中の新しい感情が何なのか、理解出来なかった。
今はただ、シュールの無事を祈るばかりだ。
シュールを失うかも知れない恐怖が、こんなにも恐ろしいとは!
アビは今まで考えた事もなかったのだ。自分の前からシュールがいなくなる状況なんて。
・・・早く帰って来て、シュール。お願いだから、僕をひとりにしないでよ。・・・