「アビ、元気そうね。日焼けしたわ。それに、背ものびた。」
サイナは嬉しそうにアビの頭に手をのせた。半年前ここで別れた時はサイナよりほんの少し大きいだけだったのに、今は目線の先にサイナの頭がある。背がのびた事なんて気づかなかった。
「サイナ。まだ、旅の途中なんだ。ゆっくり出来ないんだ。」
アビは懐かしさに引きずられそうになるのを、必死でこらえながら早口に言った。
「なによ。冷たいわね。せっかくおばあちゃんにも黙っててあげたのに。」
「ごめん、サイナ。誰にも会いたくなかったんだ。ちゃんと、終わらせるまで。」
「何を?」
サイナの問いに答えず、アビは哀し気に微笑んだ。聞いてはいけない事なのだと悟り、サイナはそれ以上何も言わずに光らない石を渡した。