その日、シュールは光る石を手に入れる事は出来なかった。魔物も春にはひなたぼっこをして休んでいるのかも知れない。シュールはそう思った。
ジェシカおばさんに兎のシチューを貰いに行って、光る石が取れなかった事を誤ると、ジェシカおばさんは、
「いいんだよ、そんな事。」
と言ってシュールの頭を、髪がくちゃくちゃになるくらい何度も撫でた。
その日から五日目の朝、ガッシュは静かに息を引き取った。
シュールは大きな瞳に涙をいっぱいに浮かべて、泣くまいと歯を食いしばった。独りぼっちになったシュールをジェシカおばさんはよく面倒見てくれた。
あれから二年の歳月が流れた。その年の初冬に、ジェシカおばさんが死んだ。