「いい子だよ、父親の面倒をよく見て。まだ十足らずだってのにねぇ。」
ジェシカおばさんは一人で、誰かに話しけるようにそう言うと、涙ぐんだ。
シュールの父親はハンターだったが、去年魔物につけられた傷口が元で、今ではすっかり弱っていた。命が尽きるのも時間の問題だろう。実際よくもっている方だ。
化膿した傷につける薬はププタンにはない。遠くのコーリットまで行けば手に入るかも知れないが、化膿止めの薬は大変高価なもので、とてもシュールには手に入れられないだろう。村の大人達の誰もが普通の薬草ではよくならない事を知っていたが、口にはしなかった。幼いシュールが一人で薬を買いに行く事は不可能だし、そんなお金もないとわかっているからだ。