ファンタジー小説銀の騎士外伝

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「シュールはいつでもあたしが預かると言っているのに。」
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シュール編

-過ぎし日-4/7

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「シュールはいつでもあたしが預かると言っているのに。」

これがジェシカおばさんの口癖だった。

「ガッシュ。あんたの思慮が足りないばっかりに、シュールは独りぼっちになっちまうんだよ。あんたは頑固者の大馬鹿さ。」

ジェシカおばさんは、また空に向かって話し掛けた。

春の日溜まりを突き破るように、大きな風が吹き抜けた。風はジェシカおばさんの白髪だらけの髪を巻き上げ、辺りの花々を蹴散らした。そして渦をまいて天高く消えた。

その風を追い掛けて、薄桃色の花びらがキラキラ光りながら舞い上がった。薄桃色に見えた花びらは裏側が白で縁取られており、舞い上がる度に光って見えた。

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